横浜市緑区(横浜市の北端)に旧奥津邸という民家がある。
入口から長屋門を見上げる。
土地屋敷は現在は横浜市に寄贈され、市で管理運営を行っている。
すぐ裏手が「新治市民の森」通称“横浜北の森”という2haほどの森林公園で、横浜市が緑地保全施策の一つとして地権者から借り受け、管理運営を行っている。
今では数少ない谷戸(里山に囲まれた谷のような地形で、山の水を利用して水田や畑が作られている)が複雑に入り組んだ地形で、横浜の原風景とも呼べる景観を作り出している。
夏には蛍が飛び交うなど、自然的にも貴重な場所なのだ。
これらを統合して総合自然公園として整備していこうというのが市の考えで、その中核となる施設として旧奥津邸を整備しようとしている。
俺は、この旧奥津邸の活用検討実行委員会にボランティアとして参加し、活用方法・運営方法に関しての検討を重ねている。
この旧奥津邸には市認定歴史的建造物である長屋門(江戸末期築)と土蔵(大正15年築)があり、これが滅茶苦茶イイ建築なのである。
母屋は元々は天保9年に建てられたとのことだが、火災で焼失、崖崩れで倒壊と何度かの立て替えを経て、現存するのは平成7年に建てられたものである。
二階は洋間だったりするのだが、一階部分は民家作りの素晴らしい在来建築で、柱に二尺角の欅の大柱が使われている。
ものすごくイイ材をふんだんに使い、仕口や継手もかなり凝っており、柱と梁が三方向からジョイントされている部分など、どう組んであるのか解明するのにちょっと悩んだ部分があったりする。
で、やっと本題。
ここで先日タイトルのようなセミナーが行われた。
谷戸での暮らし、奥津家の歴史、建物についてを、建築史家の稲葉和也先生が説明して下さる。
稲葉先生は元東海大助教授で、現在は横浜市で歴史的資産調査会調査委員も務めながら、全国の歴史的建造物、古民家などの研究・調査・保存とご活躍のスゲー先生である。
セミナー受講者の皆さんが里山見学に出かけている隙に(俺は何度も見てるので行きませんでした)先生と色々とお話をさせて頂いたのだが、相当面白いことを色々やっている方で、とにかく話が面白い。
伊豆下田の石造木骨建築を曳き家するとか、かなり難しい(面白い)ことをやっている。
こりゃいい人と知り合ったわ。
お近づきになろーっと。
良いセミナーでした。
機会があったら、土日は開館しており見学できるので、奥津邸に遊びに来てね!
イベントも時々やってるよ!
詳細は
「NPO法人よこはま里山研究所〜NORA」のサイトでイベント情報・新治情報・奥津邸情報あたりを見ると出てるはず。
吉武さーん、ちゃんと最新情報アップしてねー!