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2011 地震(東北地方太平洋沖地震)
東北地方太平洋沖地震が起きた。
今現在、死傷者が1万を超え(宮城県だけで死者1万を超えるとの報道が今テロップで流れている)、マグニチュードは9.0で国内最大どころか、世界でも有数の超巨大地震と言う未曾有の事態になっている。
刻々と流れるテレビでの被害状況に騒然とするばかり。
特に津波のライヴ中継の恐ろしさは半端でなく、というか、津波被害というのはこれほどまでに恐ろしいのかと思い知った次第。
被災された地方の皆さんの無事と早期の復興を祈ります。
その時、俺は事務所(東京都練馬区の木造二階建て)にいたんだが、グラッと大きな横揺れ(感覚として水平方向への揺れで縦揺れではなかった)が起きて、これは想定されている首都直下地震ではない、ということはすぐ分かり、もしや三陸の本震では?と思ったらその通りであった。
時間にして数分は続いた揺れは、いわゆる長周期震動系の揺れで、事務所の本棚から本がどさどさと落ち、積んであったデータCDやファイルなども雪崩のごとく床に散乱した。
携帯の緊急地震速報は全く入っておらず機能していなかった。
役に立たん。
親族は幸いにして割と早い段階で無事の確認が出来た。
電車が動いていないので、俺自身は当日中に横浜の家に帰ることを諦め、事務所に泊まることにした。
今、俺をはじめとする仲間の建築家はJASO(NPO法人耐震総合安全機構)という組織で、集合住宅の耐震診断〜耐震改修という仕事を多くしている。
他にも、新宿区の木造住宅等耐震診断登録員(23区共通で有効なため新宿区で講習を受けているが都内であればどこでも診断可能)もやっている。
このような形で住宅の耐震化を進める仕事をしているが、あの津波の映像を見るとどれだけ耐震改修をしても木造住宅の場合はほぼ無意味になってしまうように思えてしまう。
鉄筋コンクリート製の集合住宅であれば倒れることはないだろうが、波が建物の中を通過したら中は全滅だ。
津波に対して建築はあまりに無力だ。
地震には震度7であっても少なくともそれによって建物が壊れることによる死傷者を出さない様にする、という建築基準法(ちなみに法規では震度7とは書かれていない。数百年に一度の巨大地震に対して倒壊または崩壊しない、と記載されている)に書かれた理念に則ったことは調査と改修により可能であると思う。
奇しくも震災の中継映像の中で耐震補強されたビルや病院などが、津波の被害を受けても建ち続け、屋上で助けを求める人たちを映し出していたことから、耐震補強の効果が確認できたことは不幸中の幸いだ。
しかし、建築基準法には対津波強度と言うことに関しては、基本的に何の記載もないのだ。
この状況を見て、建築家にはナニが出来るのか、これからどのような家作りをすれば良いのか、どのような法規にすることが正しいのか、そんなことを考えるときが来たのかな、と思う。
東京都では、緊急輸送度悪露沿道建物の耐震診断を義務化するそうだ。
耐震診断して耐震改修するまでは様々なプロセスがあって大変なのだが、出来る限りのことをしたい。
俺自身は被災建築物応急危険度判定員の講習も、被災度区分判定員の講習も受けているので、要請があればいつでも現地でボランティア活動(被災建築物応急危険度判定員は完全なボランティアなのだ)を行うことが出来る。
日本建築家協会からの要請があって、どこに行けと言う指示がない限り何も出来ないのが実情だ。
ただ現地に行って「被災建築物応急危険度判定員でございますが判定員の御用はありますか?」という訳にはいかないのだ。
それじゃただのバカだ。
そして今後は被災地の復興のために出来ることをやるだけだ。
調査に現地へ行くことになるかもしれない。
最後にもう一度。
被災された地方の皆さんの無事と早期の復興を祈ります。
心よりお見舞いを申し上げます。